AMDは8日(現地時間)に、新しいZen 3コアアーキテクチャを採用したデスクトップCPU「Ryzen 5000」シリーズを発表した。PC Watchでは詳細にわけて複数の記事を掲載しているので、この記事ではそれらを整理しておく。
Zen 3アーキテクチャの最大の特徴は、Zen 2と比較してIPCが19%も向上し、ついにIntelをも超え、あらゆる点において業界をリードするものとなった点である。2000年代後半から続くCPU性能の伸び悩みは、ムーアの法則(製造プロセス進化の鈍化)、ポラックの法則(トランジスタ数と電力を増やしても性能向上に見合わない)、アムダールの法則(コア数を増やしても性能がリニアに向上しない)が複雑に絡み合う影響が強いが、Zen 3はすべてにおいて競合をリードしたと言ってもいい。
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このZen 3アーキテクチャは、「Ryzen 5000」シリーズとして11月5日に全世界で発売。ラインナップはRyzen 9 5950X、Ryzen 9 5900X、Ryzen 7 5800X、Ryzen 5 5600Xの4モデルで、価格は299ドルから799ドルとなっている。
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ただ、Intelも指をくわえてみている静観しているわけではなく、2021年には新しいデスクトップCPU「Rocket Lake」を投入することを同日にアナウンスした。もっとも、AMDもすでに次世代の「Zen 4」アーキテクチャに着手していることを明らかにしている。
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ちなみに棋聖の藤井聡太氏は、過去にスポニチの永瀬拓矢王座との対談のなかで、「本当はZen 3ベースのThreadripperを買いたかった」という胸の内を明かしており、今回のZen 3 CPUも注目しているに違いない。ただ、Zen 3コアをベースとしたRyzen Threadripperは今回発表されておらず、もう少し待つ必要があるだろう。
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10月28日には、RDNA 2ベースのGPU「Radeon RX 6000」が投入される。年末に投入される予定の「プレイステーション5」と「Xbox Series X」がいずれもAMDベースのCPUとGPUであることを考えると、こちらも目が離せないだろう。
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